鎌倉長谷 旧倉庫を改築したカフェ・ブオリ(Vuori)―1―
鎌倉の町中で、山や森につながる場所でありたい
ドキドキがとまらない、古い倉庫との出会い
流行の古民家カフェとはひと味違うブオリ(Vuori)、昭和初期の倉庫を改装し、1階は季節のお菓子と飲み物がいただけるカフェ、2階は暮らしの道具を展示したギャラリー兼ショップです。コンクリートの三和土、高い天井、小上がりになった奥のスペースがなんともかっこよく、日常とは一線を画した空間を作り上げています。
スレートむき出しのこの倉庫と出会ったとき、店主の野崎咲耶子さんは胸が高なったといいます。元は大正時代の海産物問屋の倉庫だったもので、「ここをどう使おう。何しよう」、次々とアイデアが湧き出しました。自分たちで壁を塗り、栃木や群馬の建具屋をまわって古い家具や建具を選りすぐりました。
「飲み物や食べ物をサービスするだけでなく、何か新しいものを生み出したい」と考えていた野崎さん、「ここなら2階もあって面白いことができるのではないか」と、2014年の開店以来、陶芸作家さんの展示会、写真展や絵画展、金継ぎや盆栽ワークショップ、トークショーに演奏会と、この場所をきっかけに次々と新しい企画を実現させています。
野崎さんが発信する場所を作りたいと思うようになったのは伊豆の陶芸家、村木雄児さんとの出会いがきっかけでした。村木さんの工房には、その人柄を慕って大勢の若い陶芸家や華道家が集まり、大きな登り窯では年に何回か釜入れ作業がおこなわれていました。作家たちの作業を手伝い、夜な夜な酒を酌み交わすうちに、「自分もなにかを作りたい」という気持ちが芽生え、それを結実させたのがブオリです。
2階のギャラリー「暮らしの道具店」には、陶芸家やジュエリーアーティストの作品が常設展示されています。土物と呼ばれる陶器はほんのりやさしい色、手に包みたくなるかたち、時間がたつほどに味わい深く、今という時間の大切さをギュッと凝縮させてくれる器です。
『ぼくたちが毎日を生きている瞬間、もうひとつの時間が確実にゆったり流れている。日々の暮らしのなかで、心の片隅にそのことを意識できるかどうか、それは、天と地の差ほど大きい』。この星野道夫さんの言葉が大好きだという野崎さん。ブオリを営むなかで、心の片隅に、山や土、森などに流れている時間を感じ、そうゆうものにつながる場所を1日1日育てていきたいといいます。
鎌倉⻑⾕ 旧倉庫を改築したカフェ・ブオリ(Vuori)―2―
vuori
1F カフェ 12:00-18:30/ ラストオーダー 18:00
2F くらしの道具店 12:00-18:00
鎌倉市長谷1-15-1 0467-23-2450
江ノ島電鉄長谷駅から徒歩4分
不定休(instagramまたはFacebookでお知らせ)
常設展示作家
陶器 村木雄児/増田勉/田代里見/高田谷将宏/竹本ゆき子/山田隆太郎/
ガラス 安土草多
銀細工 AKIKASARA
イベント一覧(2015~2019)
20150523 増田勉さんと宮下敬史さんの「木と土の手しごと展」
20150530 ブックカーニバル〜初めて出逢う鎌倉文士〜
20150619 湘南の作家さんたちによる、節絵展
20150720 テーブルに海と花 押見梨香展 2015. 7/20(月)〜8/2(日)
20151029 金継ぎユニット“うるしさん”とブオリで金継ぎ茶会
20151113 丸と四角の稜線 富山孝一(木工)/山田隆太郎(陶)二人展
20151215 生きている門松盆栽を作るワークショップ/塩津丈洋 塩津丈洋植物研究所
20160313 春、桜盆栽をつくるワークショップ
20160403 「うるし日和」〜うるしさんの日々のうつわ展〜
20160424 「うるし、ことはじめ教室」(毎月)
20160514 「 初夏のふたり展 」増田勉(陶)/宮下敬史(木工)
20161026 「うるし、ことはじめ教室」(毎月)
20161119 秋日光々、ふたり展 山田隆太郎(陶)/富山孝一(木工)
20170114 NAOKO SAITO Exhibition「 いいにおいがする場所 」
20170318 「山の欠片〜山の本と写真展」野川かさねさんの写真
20170513 初夏、ふたり展 安土草多(硝子)/竹本ゆき子(陶)
20171021 旅する、本と音楽
20171111 「おじさん酒場」山田真由美さんトークイベント
20171021 「旅する本と音楽」
20171121 増田 勉陶展 〜秋冬ならでは
20180415 木と漆のワークショップ〜菓子皿を作る
20180922 秋の演奏会「土と白の色彩」
20180925 大平高之 ドローイング展
20181117 本 と 灯り展(ガラス作家・安土草多)
20190327 春の演奏会「山小屋の灯り」
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